はあと通信


心臓の話 その2 なぜ心筋梗塞になる前に発見できないのか? 

心臓の筋肉に栄養である血液を送る血管が冠状動脈であり、この冠状動脈が狭窄を引き起こせば狭心症、閉塞すれば心筋梗塞をおこしてしまうと「HP2号・心臓の話」で説明しました。高血圧・高脂血症・喫煙・糖尿病などが血管の内部を狭くする動脈硬化を引き起こす「危険因子」である話は「HP1 号」で述べたとおりです。最先端医療では、狭心症の段階で発見されれば、まず命に関わることはありません。バイパス手術・風船療法などの冠血管形成術と言われている治療法が安全で有効なことが確認されているからです。にもかかわらず、急性心筋梗塞は、年間に20万人以上の人たちが発症し、その35%の人たちは死に至るわけです。なぜ狭心症の段階で発見されないのでしょうか?

動脈硬化は、左の図のように進行します。肝臓や糖尿病は簡単な血液検査で初期に捕まえることが出来ます。心臓病で問題なのは、左図の真ん中で、冠動脈が「50%」狭窄しているのですが、ここまで進行していても日常生活には何の支障もなく「無症状」だということです。動脈硬化症が、「静かな殺し屋」と呼ばれる所以です。この「50%狭窄」から「75%」狭窄に進行するには時間はかかりません。沈着したコレステロールの固まり(プラーク)が破裂すれば、図のように血の固まり=血栓があっという間に出現、血管を閉塞に追いやります。すなわち急性心筋梗塞の発症です。急性心筋梗塞の約15%の例では、こうした発症のために、初回の「胸痛」が心筋梗塞となるのです。待ったなしです。
狭心症の診断を早く・確実に行うのが大切。
狭心症の症状は締め付けるような胸部圧迫感・胸痛であり、多くは呼吸困難や冷や汗を伴いますが、「苦しい」とだけ訴える患者さんもいます。特に坂道や階段を昇ったり、急いだりする時に誘発され、しばしば「繰り返す胸痛」は重大です。この「胸痛発作」は、しばらく安静にすると良くなりますので、「発作」の翌日に心電図の検査をされても「正常」と出てしまいます。このため診断が遅れて、そのあげく心筋梗塞を発症し、死に至る事があるのです。
では、どう診断するのか・・・・?HP4号へ続く。(Nextをクリック)


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