はあと通信


心臓の話 その3 大事なのは「負荷心電図」! 

健康診断の心電図で「正常です」とお墨付き?をもらって安心していたAさん。
その一ヶ月後に「胸痛発作」が出現。診断は急性心筋梗塞!なぜなんだ?と、Aさん。
実はAさん,数ヶ月前から「労作時」すなわち、階段を昇ったり、急いだり、重い荷物を持ったりしたときに「胸痛」が出現していたのです。その「胸痛」は、労作を中止したり、休むと「良くなってしまう」のです。「胸痛」が出現する事に気がかりで、健康診断のドックに入ったのです。にもかかわらず、何故「胸痛」の原因である「狭心症」を診断できなかったのでしょうか?大事なのは、胸が苦しいなどの症状が出現したときの心電図です。しかしながら患者さんが病院を受診されるときには、その「胸痛」は収まっていることが多く、無症状の時に心電図は当然「正常」ななわけです。ですから、それを持って「心臓は問題ない」とは言えないわけです。大事なのは、発作を起こしているときの心電図ですが、それはタイミング良く記録は出来ません。「発作を起こす状態に近い形での検査」が必要になります。それが「負荷心電図」です。


左から、
自転車エルゴメーター・トレッドミル・階段式マスターの「負荷心電図」

一般的に狭心症の発作は、階段や坂を上ったりする労作時に起きます。その状態に似た条件での心電図検査が「負荷心電図」です。特に十分な負荷を安全にかけられるのが「トレッドミル負荷心電図」です。これなら、運動前の安静時には「正常」でも負荷後には異常が出現すれば「狭心症」の診断が出来るのです。健康診断などで普通にとられる「安静時の心電図」は、全く不十分なばかりか、かえって早期発見を遅らせてしまうことすらあるのです。心臓病の危険因子(HP1号参照)の高血圧・喫煙・高脂血症・糖尿病などを持っている人や、「繰り返す労作時の胸痛」のある人に必要なのは「負荷心電図」であることがご理解していただけたと思います。不幸にして、Aさんは、負荷心電図検査が行われなかったために、心臓は大丈夫と思いこみ心筋梗塞の発作が防ぎ得なかったのです。


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