はあと通信


心臓病を防ぐ視点から「高血圧症」を考える   シリーズ-1    

高血圧とは?
高血圧は、動脈の壁にかかる圧力が異常に高い状態をいい、動脈硬化と関係の深い「血管内皮細胞」を傷害する重要な因子の一つと見なされています。すなわち血圧が高い状態が続くことにより血管は弾力性を失い、厚くそして硬くなってゆくのです。高血圧の基準は時代と共に変遷していますが、現在では、最大血圧が140以上、最小血圧が90以上を超える場合には治療が必要と考えられています。

何故、治療が必要なのか

 治療のキイワードは、動脈硬化です。ボストン北部の人口5万人程度の町で50年前に観察され始めたフラミンガム研究(注)での町ぐるみの長期観察によれば、収縮期血圧が上昇するほど男女とも脳血管障害、虚血性心疾患による死亡率が増加するという結果が出ました。
 高血圧そのもので命を失う人はいません。命に関わるのは脳血管障害や虚血性心疾患・腎不全などの高血圧による二次的合併症がおきるからです。高血圧症の治療の根本はこの合併症の予防にこそあるのです。
心臓病の三大危険因子の一つである高血庄症は未治療では5年で60%近い合併症を出現させ、心臓病で倒れる危険度を二倍にしてくれます。高血圧の治療は心臓病で倒れぬための「杖」なのです。

血圧と言う概念は
     いつ頃からあるのか
 中国では紀元前二千年以上も前の「前漢」の時代に「黄帝内経」が完成し、その中で「脈が鉄を打つように激しく触れる時が病の始まりである・・・食塩を多く取ると脈は激しくなる」と書かれています。
 「脈が鉄を打つ」とは高い血圧を「病の始まり」とは脳卒中や心臓病の始まりを意味し、しかも塩分と血圧の関連さえも示唆しています。恐るべし中国四千年の歴史。

 

 

 

減塩・減量・運動・禁煙が
 「非薬物療法」の原則。

日常生活の注意点 
 まず肥満の高血圧症の患者さんは、カロリー制限や運動療法による減食が必要です。塩分制限は人により血庄を下げる効果に差がありますが、心臓への負担も軽減してくれます。アルコールは少量なら、すなわち日本酒一合、もしくはビール中瓶一本までなら血庄を下げ、「百薬の長」ですが、過ぎると血圧を上昇させますので要注意です。タバコは論外としかいいようがありません。

非薬物療法の限界
 運動療法:続けることが困難。中止すれば    効果もなくなる。
 アルコール制限・肥満の改善・禁煙・飽和脂肪の接収制限:いずれも血圧を下げる効果には疑問がある。
 食塩制限:6グラム/日以下。なかなか出来ない。また塩分制限に血圧の感受性がない人が日本人には多い。
ヨーロッパなどでは、人間にとって食べる楽しみが奪われるなんて、食事療法なんか大きなお世話と言う考えが最近多い。それよりも安全性が確立された薬物を洗濯する傾向。

    血液は循環する

 心臓から動脈・静脈を経て血液は心臓へ戻るという血液循環の概念は比較的最近までは明らかではありませんでした。古くは動脈にはプネウマという生命の素が入っていると考えられていました。 
 かの天才・レオナルド・ダ・ヴィンチは、心臓に四つの部屋があることを明らかにし、それはウイリアム・ハーヴエイの「動物の心臓並びに血液の運動」で完結されるのです。現代では、この血液の循環は誰にでも知られていることですが・・・

 心臓は、毎日汗水を垂らしてあなた方が寝ている間も一日に約十万回収縮と拡張を繰り返している律儀な臓器なのです。大切に!


ご意見・メールをお待ちしています。
E-mail : tomihara@tomihara.com