はあと通信


心臓病を防ぐ視点から「高血圧症」を考える シリーズ(2)

HP6号で高血圧の概論を述べました。ここでは高血圧の歴史・遺伝とのかねあい・心臓病との危険度などについてお話しします。
高血圧症は、我が国の人口の20%以上、すなわち2000万人以上が罹患しています。食塩摂取量などの環境要因が発症と直接関連を有しており、さらには家族歴が明らかなことから遺伝的な素因に深く関わっています。(遺伝因子と環境因子)

 高血圧の歴史
 1896年:イタリアで水銀式血圧計の発明

 百年経過しても、デジタル化の波の中でも十分な威力を発揮している  医療機器はほかには見あたりません。すごい発明ですね。

昭和20年代後半、薬剤による高血圧治療が始まりました。当初、対象は悪性高血圧のみだったようです。特別な「薬」として取り扱われたのでしょう。

昭和32年、成人病という言葉が出現しています。
健康診断・血圧測定が行われたのがこの頃です。

昭和45年頃から長期的な視野に立っての血圧の治療が始まりましたが・・持続的な薬なく、一日に四回の服用が必要でした。薬を飲むのも大変。

現在:ただ血圧を下げるというのでなく、生命の予後・質・臓器の保護を念頭においた治療が行われるようになりました。

血圧は下がったが、コレステロールが上がってしまった、血圧は下がったが、糖尿病が悪化した。
血圧は下がったが、尿酸値が高くなり痛風発作を起こした血圧は下がったが、喘息発作がおきるようになった。
血圧は下がったが、心不全を起こすようになった。
何のための治療かわかりませんからね。

血圧は変動する
午前6時から起床後数時間の11時頃までは要注意。特に夜間の睡眠から目覚めた直後は交感神経が活発になって血圧を上げます。この時間帯に血圧の薬を服用しないで、運動するのは危険。それを裏付けるように夜間から早朝にかけて、すなわち血圧の上昇の日内変動に比例して心臓突然死・心筋梗塞・脳卒中が発症します。朝方は危険な時間帯なのです。

遺伝と高血圧 
両親に高血圧がない場合(左)に子供が高血圧に罹患する割合は「4.2%」片親が高血圧の場合には「56.8%」(中)で子供に高血圧が現れる。両親共に高血圧の場合(右)は「7割以上」で、その子供は高血圧症になってしまいます。 

この遺伝的素因はどうにもならない。しかし、日常生活を管理する事によりある程度予防が可能です。塩分の取りすぎ・ストレス・喫煙・大量の飲酒などの悪習慣を改善できれば、未然に防いだり、発症を遅らせることが出来ます。

心臓病を引き起こす危険性は?

高血圧は、動脈硬化を促進させるため、心臓病・脳卒中・腎臓病などを生じさせます。また、糖尿病・高脂血症を併発することで、さらに高血圧を悪化させる状態になります。

特に、高血圧症は心臓病(心筋梗塞・狭心症)を誘発するケースが多く、心臓病の三大危険因子の一つとされています。フラミンガムスタディによれば、健康な人に比べて、喫煙は2倍、高脂血症は4倍、そして高血圧は3倍の危険率とされています。こういった危険因子は、当然重なり合うことになりますので、3つの危険因子が重なると「16倍」にもなります。

合併症とは・・・ 高血圧そのものでは死なない。命に関わるのは、高血圧が引き起こす合併症によってである。  脳卒中・腎不全・動脈瘤・閉塞性動脈硬化症・網膜症などだが中でも、冠動脈硬化症による狭心症、心筋梗塞である。
これらの合併症は突然にはやってこないが、静かにやってくる。胸部レントゲン写真・心電図(特に負荷心電図)・血液検査は、この兆候を見ているのです。


なんといっても高血圧症の予防にも、さらには先の動脈硬化の防止にも「歩くこと」が重要です。歩行が「予防的効果」を発揮するためには「一日一万歩」が必要です。あなたは、いかがですか?


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