医学の歴史 (第2回)

ハルステッド

ハルステッド(1852-1922)の魔法の手袋

今は手術のため・感染予防のために使用されている「ゴム手袋」のきっかけは、「恋の小道具」だったのです。

ハルステッド博士、やりますなー!

 ハルステッドは、キャロラインを手術室の婦長に任命した。やがて、キャロラインの手は昇汞水(しょうこうすい)のために皮膚があれてザラザラとなった。彼女は、その湿疹とたたかうか手術室をやめるか決断を迫られていた。その時、ハルステッドは、手を保護するが仕事にはさしつかえない非常にうすいゴムの手袋を彼女にプレゼントした。この手袋はグッドイアー・ゴム会社がハルステッドのために特別に作ったものであった。しかしやがて、キャロラインは、手袋を使うことなく、手術室を去った。それは、彼の妻となるためであった。


ハルステッド博士と「手袋」

切手・左は「ハルステッド」右は、手袋をした手が描かれている。当時は、リヒターの防腐法の発表から日も浅く、一般には、細菌説やリヒター法にまだまだ懐疑的だった。無菌外科手術の必要性を感じていたハルステッドは、従来の手術室をあきらめ病院の庭にテントを張って特設の無菌手術室を作り上げた。それほどのハルステッドであったが、考案したゴム手袋を自分で使うことはなかった。彼にとって皮肉にもゴム手袋は無菌法のための道具ではなく「恋の小道具」にすぎなかったのです。


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