医学の歴史 (第3回)


ゼンメルワイス

敗血症と消毒法の関係を明らかにし、将来の外科手術の基礎を築いた、ゼンメルワイス(1818-1865)

手を洗え!消毒の発見!    
 
元気な頃のゼンメルワイス

 ブタペスト生まれのオーストラリアの医師

ウィーン大学の同僚が解剖中に誤って感染して死亡した事から塩素水での消毒を思いつく。ウィーン総合病院の第一産科のドアには 「1847年5月15日の今日付けで解剖室から出てくる医者も学生もみんな入り口のところにおかれた洗面器の塩素水で徹底的に手を洗うこと。この命令はすべての人に例外なく通用する。I.P.ゼンメルワイス」    と書かれていた。

 当時の産科病院では、産褥熱が蔓延しており母親が次から次へと死んでいた。それが、産科の医師による感染が原因だとは誰も考えておらず、伝染病のせいだとされていた。ゼンメルワイス自身も微生物が産褥熱やその他の手術熱の媒体になっているとは見当もつけられなかったが、経験的に手洗いの必要性を説き実践した。その結果、彼の病院では産褥熱は激減した。しかし、悲劇的なことには、彼のこの考えは、微生物の発見がこの後30年後に、かのパスツールにとって明らかにされるまで、周りの医師達に理解されることはなかった。ブタペストからのゼンメルワイスの「手を洗え」の叫び声も反響のないまま、ゼンメルワイスは、かえって非難の的となり、彼へのこの非難はマヒ性痴呆症を加速させ、失意のままに、彼もまた患者を治療するときに傷つけた切り傷から敗血症により死亡した。


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